「歌が上手い」と「カラオケが上手い」何が違うの?|ボーカルマスター
?はじめに
今回のタイトル「歌が上手い人とカラオケが上手い人は何が違うの?」そもそも両者とも高い技術を持った人である事は間違いないし、どっちも一緒じゃない?と思う方もいるかもしれません。しかしこれらには、実は明確な違いがあるのです。今回はそれぞれの特徴や違いについて解説していきたいと思います。
■ 「カラオケ」が上手い人の特徴
まずカラオケが上手い人について、簡単に言ってしまえば「採点で高得点が出せる人」はカラオケが上手いと言えます。カラオケ上級者の特徴としては、
1、音程やリズムが正確
カラオケ採点機能の音程バーに沿って正確に歌うことができます。歌い出しのタイミングやフレーズを切るタイミングなど、原曲のメロディー通りに歌える技術を持っています。音感の良さもそうですが、再現性の高い歌を歌うために発声も安定しているのが特徴です。
2、加点に必要なテクニックを多用できる
ビブラートやしゃくり、コブシなどのテクニックを使ってどんどん点数を獲得する事が出来ます。また、採点する機械の特性を熟知している人も多く、「ビブラートは〇秒間」といったような技術を細かくコントロールする人もいるのです!それだけ喉を柔軟に使える高い技術を持っています。
3、時には無機質な印象も
高得点を目的にした歌は、聴いている人からすると少し機械的な印象になるかもしれません。「上手!」という感動はあっても「また聴きたい!」と思えるかどうかは悩ましい所です。その理由は次の「本当に歌が上手い人の特徴」でわかると思います。
■ 本当に「歌」が上手い人の特徴
当然ながら、プロの歌手やアーティストと呼ばれる方達は、本当に「歌」が上手い人達です。もちろん趣味やアマチュアの人たちの中にも、この意味での上手い人は見られます。「カラオケ」が上手い人と同様に、音程やリズムがしっかりしている事は確かですが、他にどんな特徴があるのでしょうか?
1、曲をしっかり理解している
歌う曲に対して音程やリズムだけでなく、音楽性、元になるジャンル、歌詞の持つメッセージやその曲が生まれた背景など、作者の想いをしっかりと理解しています。その上で自分なりの解釈を考え抜いて表現しています。秦基博さんや、あいみょんさんのように自分自身で作詞作曲をするシンガーソングライターであれば、より深い理解のもとで歌うことができます。
2、心に届く歌、説得力
本当に歌が上手い人の歌は、ただ音程をなぞっているだけの歌ではありません。言葉を一言一言大切に伝える、そんな抑揚のある歌はまるで語りかけられているようです。スッと聴き手の心に入り込んで過去の経験や様々な感情を思い起こしてくれます。時に激しく訴えかけるような歌は荒々しいながらも聴き手を魅了します!例えば甲本ヒロトさんなどのロックシンガーはその上手さや説得力を持った歌手です。
3、声が個性的
玉置浩二さんやハナレグミの永積崇さんなど、一度聴いたら忘れられない声。どんな曲を歌っても声を聴くだけで「あの人が歌っているな」と気付かせる個性的な声。これはやはり本当に歌が上手い人の特徴といえます。そして音程の正確さよりもこの声をどう響かせたら、より聴き手に届くかを考えます。世の中で有名になる歌手は間違いなくこの特徴を持っていて、テレビ番組やYouTubeなどで沢山の人たちにモノマネされる程の影響力を持っています。ハイレベルなモノマネが出来る人も凄いですが、そもそもモノマネされるということ自体が本当に凄いことなんです!
■ 歌が上手いのにカラオケだと点数が低いのはなぜ?
カラオケの採点者は機械です。決まった音程、音符の長さをいかに正確に歌うかを重要視しています。しかし歌が上手い人の表現というのは、メロディーをアレンジしたりフェイクを入れたりするので、機械が「音程を間違えた」と勘違いし、減点されてしまいます。また、プラスアルファの「表現力」という項目については、使えた回数によって加点されていきます。歌が上手い人は、ビブラートやコブシなどのテクニックをやたらめったら使うと聴き手がしらけてしまうことを良く知っています。その為、聴き手が心地良いと感じる「ここぞ」という少ないタイミングのみで使います。結果的に凄く歌が上手いのに点数が低いということが起きるのです。
テレビ番組などで、その曲を歌っているアーティスト本人よりもカラオケ自慢の素人が点数で勝ってしまうことも珍しくありませんが、これには上記のような理由が含まれているのです。
■ 歌が上手い人とカラオケ上手の違い
「歌が上手い人」「カラオケが上手い人」決定的な違いは、ズバリ!聴き手を意識しているかどうかです。「歌が上手い人」は、相手に届けるために自分の持っている声やテクニックを駆使しています。曲の世界観を大切にしながら、まるで映像を見せるかの様に歌います。